発注者責任を果たすということ(最終回)
★ここ常陸国筑波の地で涵養された発注者責任に対する私の問題意識と使命感は、熊本地震災害復旧という難局において昇華され、究極のスタイルで現場実装されることとなりました。 平成28年熊本地震からはや6年が経とうとしています。地震発生の4ヶ月前(平成27年12月16日)、私は急遽...
県土を支える4本の高規格幹線道路とネットワーク効果
★自然災害大国の日本だからこそ、道路整備にあたっては、途切れることのないネットワークを形成し、リダンダンシーを確保することが求められます。 高規格幹線道路は、豊かで活力ある地域社会の形成及び広域的な連携を支えるうえで必要不可欠な基盤施設です。...
茨城県の鉄道・今昔
★通勤・通学の交通手段として、観光交通を支える基幹インフラとして、県内の鉄道は重要な役割を果たしており、その維持・更新は地域の最重要課題の一つと言えます。 1868年に成立した明治政府は、版籍奉還や廃藩置県を通して中央集権国家体制を固め、富国強兵や殖産興業の理念のもと、新し...
多機能インフラの先駆け「土浦線の建設」
★城下町・土浦を水害から守るため、鉄道線路の盛土を湖岸堤の代わりとして造らせた明治の代議士・色川三郎兵衛の伝記は、今も茨城県民(土浦市民)の間で語り継がれています。 東日本大震災と命の道 東日本大震災から11年が経ちました。この東日本大震災では、「道路」が本来の交通インフラ...
常総水害の記憶と鬼怒川・小貝川の恵み
★茨城県西部地域を南北に流れる鬼怒川と小貝川。自然の猛威は今なお止むことはありませんが、伊奈忠次・忠治父子が手がけ、その後の先人たちによって引き継がれた両河川の治水・利水事業の功績は、現在の私たちの生活に大きな恩恵を与えてくれています。 脆弱な国土の上で暮らす日本人...
利根川東遷が県境の謎を解く
★利根川の東遷は、県境(国境)を変更し、首都東京発展の礎となりました。県境を調べていくと、その土地の地域的なつながりや、郷土への働き方の歴史が良くわかります。 皆さんは小学校時代、47都道府県の位置と県庁所在地の名称を暗記したことを憶えておられますか。また、その時、「県境(...
茨城県にある二宮尊徳の功績
★青木堰をはじめ、尊徳から農村振興の手ほどきを受けた地域は全国600か村に達したと言われていますが、それ以上に、彼の考え方や勤勉さは、学校教育を通して、日本人の心をこそ耕してくれました。 二宮金次郎の像が全国的に撤去される現象が進んでいる・・・という話題を耳にしました。そう...
小学校の郷土学習教材「飯沼干拓」
★郷土学習は、近現代社会の実現を肯定的に捉えるとともに、努力や利他的精神を養いながら、先人たちの郷土への働きかけとその成果(功績)を学ぶ単元。「飯沼干拓」の物語は、国土・インフラ教育にとって格好の教材といえます。 現在、私たちが享受している安全で快適な生活は、先人たちが森林...
水戸徳川藩の礎を築いた土木技術と「流域治水」
★江戸時代前期、那珂川・久慈川の水を治めた伊奈備前守忠次と永田茂右衛門・勘衛門父子。彼ら先達の土木技術が、「流域治水」を進める令和の現代に蘇ろうとしています。 尾張、紀州と並び「徳川御三家」の一つに数えられる水戸徳川家。水戸藩は、1609年(慶長14年)徳川家康の第11子頼...
わが国・水戸藩・鹿島神宮、それぞれにとっての安政江戸地震
★幕末の日本を襲った安政江戸地震。わが国の歴史の大きな転換点ともなったこの巨大地震は、郷土・水戸徳川藩の命運を左右し、常陸国一宮・鹿島神宮にとっても信仰を広める出来事となりました。 幕末を襲った大地震・風水害・疫病 わが国を襲った歴史上の自然災害を振り返ってみると、あること...