新緑の「肥後みどりかわ湖」を巡る
★4月29日は「緑川の日」。緑川上流・美里町にある緑川ダム(湖名:肥後みどりかわ湖)は、洪水調節、灌漑用水供給、水力発電、そして観光・地域振興など、半世紀近くに渡って地域に対し貢献を続けている。
本日、4月29日は「緑川の日」。今年も緑川流域各地で「緑川の日一斉清掃」が実施された。 今日は天候にも恵まれ、本部会場の嘉島町犬渕河原では、多くの緑川流域住民の方々の参加のもと、朝10:00から一斉清掃がスタート。今回で25年目となり、緑川流域住民の方々の河川環境に対する意識の高さが窺われた。 また、一斉清掃の後には、緑川流域の様々な団体(NPO法人・住民団体など)が一堂に会し、流域づくり(流域活性化)に関する連携・活動を深化させるための場『緑川流域会議』の発足式が執り行われた(共催イベント同時開催)。今後、活発な議論と住民参加型の流域づくりが実現することを期待したい。
「緑川流域会議」発足イベントを開催します(熊本河川国道事務所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/newstopics_files/20180418/k180418.pdf
【緑川ダムの3つの機能】 この緑川の上流(美里町)には、「洪水調節」を主目的とし、併せて「発電」及び「かんがい」を行うことを目的とする多目的ダム「緑川ダム(湖名:肥後みどりかわ湖)」がある。緑川ダムは、重力式コンクリートの主ダムとロックフィル式の脇ダムの2つのダムからなり、建設省(現・国土交通省)によって建設され、昭和46年に竣工、同年4月から緑川ダム管理所が維持管理を行っている。 -緑川ダムの役割- ・大雨によって急増する水量の一部を一時的にダムに貯め、ダムから放流する量を調節することで、下流への洪水を小さくする(洪水調節) ・ダム直下と下流3kmの地点に設置された3つの水力発電所において最大出力35,140kw、年間では36,000世帯分に相当する電力を生み出す(発電) ・緑川の下流域は、県内でも有数の穀倉地帯であり、米、野菜(キャベツ・トマト・ピーマンなど)、果物類(メロンなど)、花卉などの生産を支えている(かんがい)
緑川ダムについて(緑川ダム管理所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/midori/html/about01.html
緑川ダム・ガイドブック(緑川ダム管理所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/midori/image/pumph01.pdf
緑川ダム[熊本県](ダム便覧)↓ http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2665
【洪水調節/H28熊本地震後の6月の大雨では・・・】 平成28年6 月20 日より21 日未明にかけて、熊本県内では時間雨量100mm を超える大雨となったことから、6 月21 日 0 時55 分より、緑川ダムへ流れてくる水量を緑川ダムに約920 万m3(25m プール 約25,500 杯分)貯めて、ダム下流へ流す水量を最大64%低減させる操作(洪水調節)が実施された。 この操作により、ダム下流の中甲橋水位観測所において、ピーク時の河川水位を最大約1.36m低下させることができ、また河川の最高水位を約0.45m低下させることができたと推測されている。これは、水防警報・洪水予報の基準水位の通常運用において「氾濫危険水位」(河川が氾濫する恐れのある水位(避難勧告等を発令する目安))を「避難判断水位」(避難準備情報等を発令する目安)まで引き下げる効果に相当するものであった。
平成28年6月20日からの大雨における緑川ダムと堤防の緊急復旧による治水効果について(緑川ダム管理所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/midori/press/data_file/20160621_01.pdf
緑川ダムの洪水調節実績(緑川ダム管理所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/midori/html/about04_02.html
(肥後みどりかわ湖の碑)
(緑川ダム堤体)
(肥後みどりかわ湖)
(肥後みどりかわ湖)
(国土交通省緑川ダム管理所)
(緑川ダム資料館)
【ダム湖周辺の環境整備】 ダム湖周辺の環境整備も緑川ダムの重要テーマのひとつ。ダム湖周辺には、ロッジやバンガロー、キャンプサイト、サイクリングロード、ヨットハーバー(カヌー・ボート)、プール、体育館、テニスコートなどが整備され(美里町ガーデンプレイス家族村)、森と湖に囲まれた自然の中でレジャーやキャンプができる「貴重な学び、憩い、感動体験の場」として機能している。 さらに2015年5月には、ダム湖畔に「フォレストアドベンチャー・美里」がオープンし、日本初ダム越え&日本最長510mのジップスライドは、スリル満点のアトラクションとして人気を博している。 ※「フォレストアドベンチャー」とは、フランス発祥の自然共生型エコパーク。森林と共生し森林を有効活用したレジャー施設で、動力を一切使わず運営されている点がポイント。
ダム周辺のおすすめ施設(緑川ダム管理所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/midori/html/region01.html
美里町ガーデンプレイス家族村↓ http://garden.town-misato.com/
フォレストアドベンチャー・美里↓ http://fa-misato.foret-aventure.jp/
(フォレストアドベンチャー・美里)
(日本初ダム越え&日本最長510mのジップスライド)
(今回の舞台)
(2018年4月29日)
関連ページ(熊本国土学) <第18回>豊かな水源・自然・史跡・文化財を流域に持つ「緑川」(2016/10/23)