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妙見神(北極星の化身)を祀る「八代神社」と個性豊かな「妙見祭」

★静と動の混淆した異国情緒漂う「八代妙見祭」神幸行事は、神仏両部の宮寺「妙見宮」の例大祭として発展してきた。ユネスコ無形文化遺産として認められることを喜ぶとともに、海外の大型クルーズ客船の寄港も相次ぐ八代港の発展と相まって、地域振興につなげたい。

 11月23日(祝)、「八代妙見祭」のハイライトの神幸行列が行われ、神輿、楼閣型の笠鉾、獅子、亀蛇(きだ)、花奴、鉄砲隊、神馬、飾馬など40もの変化に富んだ出し物が連なり、八代の繁栄を今に伝えた。

 八代妙見祭の神幸行事は、「妙見宮(現・八代神社)」の秋の祭礼行事で、中世・相良氏時代の神幸行列に由来すると言われる。八代城が初代・古麓城から二代目・麦島城に遷った戦国時代に一時衰退したが、肥後熊本藩主・細川忠興が1635年に再興。その後、細川家や八代城主松井家の保護を受け、さらに「徳淵の津(港)」を玄関として商業で栄えた町衆文化も取り入れて、豪華な祭礼へと変わっていった。  近代に入って、明治の神仏分離などの影響で出し物の一部は途絶え、笠鉾類が傷むなど祭りが廃れかけた時期もあったが、1990年の八代市政50周年を契機として(「ふるさと創世1億円」などを使って)出し物の調査・修復を進め、復活を望む市民の熱意とともに往事の豪華な行列を再現した。

八代妙見祭の神幸行列で一番の人気者は、亀蛇(ガメ)だ。ガメは、亀と蛇が合体した想像上の神獣。約1300年前に妙見神を背中に乗せ、中国から海を渡って八代に来たとされる。妙見神は北辰(北極星)と北斗(北斗七星)の化身。北を指して動かない北極星は航海の指針でもあり、大陸から海を渡ってきた人々によって、妙見信仰が伝えられたと言われている。

 そもそも、八代神社は、江戸時代末まで妙見宮(日本三大妙見の一つ)として全国に知られ、南北朝から戦国時代末までは、八代・下益城・芦北三郡の一の宮として栄えた。この時代、「八代」は、相良氏の城下(=古麓)と八代町衆の港町(=徳淵)と妙見社を中心とした門前町(=宮地)がミックスされた肥後最大の都市であった。  <八代妙見祭HP>によると、「妙見宮は北極星と北斗七星からなる星辰信仰が妙見菩薩の仏徳の中へ包摂され、妙見菩薩を本尊とする白木山神宮寺がのち天台・真言の十五坊による供僧制へと発展し、道教的作法が、のちに神道の発展に伴い神主家となり、北辰(北極星)を太一神とするものから国常立尊・天御中主神へと習合発展してき」た経緯を有し、「明治初年の神仏分離令により、白木山神宮寺を首坊とする十五の天台・真言のお寺は廃止され、以後は八代神社と改称され、今日に至って」いる。要するに、妙見宮は古くから神殿と仏堂・神主と社僧のある神仏混淆の宮寺であって、個性豊かな(静と動の混淆した異国情緒漂う)神幸行事は、この神仏両部の宮寺の例大祭として発展してきたのである。八幡宮を鎮守とする港町「川尻」や「高瀬」の例大祭とは明らかに趣を異にする。

 妙見祭公式ホームページ↓ http://www.myouken.com/

 2016年10月31日、八代市の「八代妙見祭の神幸行事」をはじめ、「博多祇園山笠行事」(福岡)や「唐津くんちの曳山行事」(佐賀)など18府県33件の祭りで構成する「山・鉾・屋台行事」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される見通しとなった。(正式な登録は11月28日からエチオピアで開催されるユネスコ政府間委員会にて決定される予定)

地域の伝統のある祭り「八代妙見祭」がユネスコ無形文化遺産として認められることを喜ぶとともに、海外の大型クルーズ客船の寄港も相次ぐ八代港の発展と相まって、外国人も含めた観光客増加(=地域振興)に向けた追い風としたい。

(楼閣型の笠鉾)

(砥崎河原で演舞する獅子)

(亀蛇)

(笠鉾:迦陵頻伽)

【仏説阿弥陀経】 如是我聞 一時佛 在舍衛國 祇樹給孤獨園 與大比丘衆 千二百五十人倶 皆是大阿羅漢 衆所知識 長老舍利弗 摩訶目犍連 摩訶迦葉 摩訶迦旃延 摩訶倶絺羅 離婆多 周利槃陀伽 難陀 阿難陀 羅睺羅 憍梵波提 賓頭盧頗羅墮 迦留陀夷 摩訶劫賓那 薄拘羅 阿㝹樓駄 如是等 諸大弟子 并諸菩薩摩訶薩 文殊師利法王子 阿逸多菩薩 乾陀訶提菩薩 常精進菩薩 與如是等 諸大菩薩 及釋提桓因等 無量諸天 大衆倶 爾時佛告 長老舍利弗 從是西方 過十万億佛土 有世界 名曰極樂 其土有佛 號阿彌陀 今現在說法 舍利弗 彼土何故 名爲極樂 其國衆生 無有衆苦 但受諸樂 故名極樂 又舍利弗 極樂國土 七重欄楯 七重羅網 七重行樹 皆是四寶 周帀圍繞 是故彼國 名曰極樂 又舍利弗 極樂國土 有七寶池 八功德水 充滿其中 池底純以 金沙布地 四邊階道 金銀瑠璃 玻瓈合成 上有樓閣 亦以金銀瑠璃 玻瓈硨磲 赤珠碼碯 而嚴飾之 池中蓮華 大如車輪 青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光 微妙香潔 舍利弗 極樂國土 成就如是 功德莊嚴 又舍利弗 彼佛國土 常作天樂 黄金爲地 晝夜六時 而雨曼陀羅華 其國衆生 常以淸旦 各以衣裓 盛衆妙華 供養他方 十万億佛 即以食時 還到本國 飯食經行 舍利弗 極樂國土 成就如是 功德莊嚴 復次舍利弗 彼國常有 種種奇妙 雜色之鳥 白鵠孔雀 鸚鵡舍利 迦陵頻伽 共命之鳥 是諸衆鳥 晝夜六時 出和雅音 其音演暢 五根五力 七菩提分 八聖道分 如是等法 其土衆生 聞是音已 皆悉念佛念法念僧 舍利弗 汝勿謂此鳥 實是罪報所生 所以者何 彼佛國土 無三惡趣 舍利弗 其佛國土 尚無三惡道之名 何況有實 是諸衆鳥 皆是阿彌陀佛 欲令法音宣流 變化所作 舍利弗 彼佛國土 微風吹動 諸寶行樹 及寶羅網 出微妙音 譬如百千種樂 同時倶作 聞是音者 皆自然生 念佛念法念僧之 心舍利弗 其佛國土 成就如是 功德莊嚴 ・・・・・・・・

(拝殿と本殿)

(妙見由来碑)

(今回の舞台)

(2016年11月26日)

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