熊本地震(本震)から半年。「がんばろう!!熊本」
★TEC-FORCE(災害応急対策に対する技術的な支援を円滑かつ迅速に実施するために国土交通省に設置されたチーム)はその時、どのように活動したか?
平成28年4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震央とするマグニチュード(Mj)6.5の地震が発生(前震)、さらに、その28時間後の4月16日1時25分にはMj7.3の地震が発生し、益城町と西原村で震度7を観測しました(本震)。延べ4,000回を超える余震による影響を含め、「熊本地震」は熊本~阿蘇周辺地域に甚大な被害を与えました。多数の家屋倒壊や土砂災害による人的被害、電気・ガス・水道等のライフラインへの被害のほか、空港・道路・鉄道等の交通インフラにも甚大な被害が生じ、県民生活や中小企業、農林漁業や観光業等の経済活動にも大きな支障が生じました。 これに対し、政府は、4月14日22時10分、災害対策基本法第24条第1項の規定に基づき、「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部」を設置。翌4月15日10時40分には熊本県庁内に現地対策本部(内閣府、総務省、農林水産省、文部科学省、経済産業省、厚生労働省、国土交通省、中小企業庁、環境省、林野庁、警察庁、消防庁、防衛省、気象庁、国土地理院で構成。最大110名体制)を立ち上げ、熊本県災害対策本部と連携して、①人命救助・捜索部隊の活動調整、②物資供給の調整、③電気・水道・ガス等ライフラインの迅速な復旧、④避難所支援(県・市町村とNPO団体との調整)、⑤健康管理支援、⑥災害廃棄処理、⑦市町村の行政機能の回復支援にあたりました。
また、こうした(政府)現地対策本部の動きと並行して、九州管内の主要な国道・一級河川を管理する国土交通省九州地方整備局は、4月14日の前震発生直後に災害対策本部を立ち上げ、被災自治体へのリエゾン(災害対策現地情報連絡員)やTEC-FORCE(災害応急対策に対する技術的な支援を円滑かつ迅速に実施するために国土交通省に設置されたチーム)の派遣、現地への災害対策機械(照明車、衛星通信車、対策本部車など)の配備、支援物資(仮設トイレ、飲料水、非常食、防寒対策の毛布など)の緊急提供など、迅速な災害復旧に向け、各種支援活動を展開しています。 TEC-FORCEについては、北は北海道から南は沖縄まで、全国の地方整備局等からピーク時(4月22日時点)で約440名、延べ8,000人・日以上が熊本(九州)に集結し、河川・砂防・道路など、様々な分野において、被災状況調査等の技術的支援が行われました。 もちろん、整備局の本来業務であるインフラの復旧作業も迅速に進められました。熊本地震では、県内交通の南北方向の大動脈である九州縦貫自動車道が甚大な被害を受け、被災後2週間にわたり全面通行止めとなったため、これと並行する直轄国道(3号、57号バイパス等)の応急復旧・交通開放が迅速に行われました(本震後24時間以内に通行可能となっています)。 さらに、東西方向の生命線ともいうべき国道57号が南阿蘇村立野地点で斜面崩壊により寸断、これと接続する国道325号阿蘇大橋も崩落、さらに県道熊本高森線の俵山トンネルとそれにつながる橋梁群も損傷し、2~3万台/日を超える熊本~阿蘇間の重交通が機能麻痺の状態となりました。これに対して、整備局は広域の迂回路(国道443号、ミルクロード、グリーンロードなど)の啓開を急ぎ、数日で供用させています。 一級河川・緑川と白川の河川堤防の損傷も激しく、堤体の変状が比較的大きい緑川水系緑川・加勢川の11箇所については、24時間体制で緊急的な復旧工事を実施し、出水期前までに全ての工事を完成させています。 現在は、国道57号の本復旧(直轄砂防事業、北側復旧ルートを含む)、阿蘇大橋の架け替えと俵山ルートの本復旧(いずれも国による権限代行事業)、一級河川緑川・白川の本復旧工事などが全力で進められています。(※本復旧事業の進捗状況は、熊本河川国道事務所ホームページで確認できます) http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/index.html
(復旧工事が進む阿蘇大橋地区:10月10日)
(阿蘇神社を襲った熊本地震と阿蘇山噴火)
(熊本城の今:10月9日)
(4月14日撮影)
(今回の舞台)
(2016年10月16日01時25分)