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第48回衆議院議員総選挙と熊本のインフラ整備

★熊本選挙区では、「熊本地震からの復旧・復興」が最優先課題であり、「インフラの整備(回復)」が重要であるとする候補者が当選確実となった。県内の今後のインフラ整備に期待したい。

 今日は第48回衆議院議員総選挙の投開票日。テレビ各局では選挙特番を組んで、時々刻々と入ってくる開票速報を報じている。開票が始まってまだ3時間だが、早くも大勢が判明してきたようだ。  今回の選挙では、安倍政権を継続させるのかどうか?、具体的には、経済政策・アベノミクスや、安全保障関連法の整備、森友学園や加計学園をめぐる問題への対応など、5年近くに及ぶ安倍政権をどのように評価するのか?、が最大の争点であるといわれてきた。  さらに、今後の政策に関しては、「消費増税」「憲法改正」「原発」の3テーマが、政党によって意見の異なる主要論点として、各種メディアで取り上げられてきた。  一方で、残念ながら(今回も)、インフラ整備に関する議論は、全国レベルではあまり(ほとんど)話題に上ることはなかったようだ。

 しかし、ここ熊本における主要争点は全国レベルのものとは大きく異なっていた。今回の熊本選挙区は、小選挙区の区割りに大きな変化があった(5区から4区に統合された)ため、その結果が全国的にも注目されてきたところであるが、現時点(22日23時現在)で、主要メディアは全ての小選挙区で前職の候補者が当選確実と報じている。  そして、これらの候補者の選挙公約をみると、全員が「熊本地震からの復旧・復興」を最優先課題として取り上げており、かつ複数の候補者がこれと並行して「インフラの整備(回復)」というキーワードを明示して選挙活動をし、そして当選確実となったのである。

-2017衆議院選挙・熊本県内小選挙区「私の公約」(2017年10月11日、熊本日日新聞朝刊19面掲載)から、小選挙区で当選確実と報じられている候補者の公約のみ抜粋して掲載-

■第1区:熊本市(中央区、東区、北区) 【復興仕事人】「仕事人内閣」は仕事をして結果を出す。熊本地震からの完全復旧、さらに創造的復興を支援【日本を守り抜く】あらゆる手段を講じわが国の平和と安全を守る。北朝鮮による拉致問題を解決【アペノミクス完遂】既に過去最高の企業収益を達成。地方が実感する真の景気回復に向け企業留保を賃金向上や設備投資へ促す【人づくり革命と生産性革命】生産年齢人口が減少する社会でもGDP600兆円を達成し、それを基に税収増を実現する【自衛隊を憲法に明記】自衛隊の違憲論に終止符を打つ。憲法改正の発議を実現し国民投票を行う。

■第2区:熊本市(西区、南区)、荒尾市、玉名市、玉名郡 ①熊本地震復興に引き続き全力投球し、さらに加速させます。②消費税を「医療・介護・年金・子育て支援」をさらに充実させるために使います。③農林水産業を担う皆さんは地域社会や地場産業を支える重要な担い手です。そのためにも活力ある強い熊本の農林水産業を推進します。④商工業や地域産業の活性化のために道路網など社会インフラの整備や災害に備えるための河川改修に取り組みます。⑤障がいのある人も、ない人も共に生き生きと暮らしていける社会の実現に取り組みます。

■第3区:山鹿市、菊池市、阿蘇市、合志市、菊池郡、阿蘇郡、上益城郡 昨年の震災からの復興作業を加速する。 国道やJRをはじめ、インフラを回復させる。  農地、商業地、宅地等を以前以上に、機能的で安全なものにする。  仮設住まいの方々の期限延長を図ると同時に、一日も早い平常への生活復帰を進める。  復興公営住宅、集落再生に対し、自治体の負担を軽くする。

■第4区:八代市、人吉市、水俣市、天草市、宇土市、上天草市、宇城市、下益城郡、八代郡、葦北郡、球磨郡、天草郡 熊本地震からの復旧・復興に「チームくまもと」国・熊本県・市町村連携の下、取り組んでまいりましたが、いまだ道半ば! 一日も早い復旧・復興を成し遂げるため、引き続き全力で取り組みます。  1票の格差是正のため、残念ながら熊本県の小選挙区は5から4に削減されました。わが国の人口減少に歯止めをかけるための「地方創生」に逆行するような地方軽視と言っても過言ではない流れに憤りを感じますが、受け入れざるを得ません。このピンチをチャンスに!衆議院熊本新4区内市町村の連携強化により県内振興を図ってまいります。

-2017衆議院選挙・熊本県内小選挙区「立候補者インタビュー」(2017年10月14日、熊本日日新聞朝刊3面掲載)から、小選挙区で当選確実と報じられている候補者(3区と4区)のインタビューの一部のみ抜粋して掲載-

■第3区:山鹿市、菊池市、阿蘇市、合志市、菊池郡、阿蘇郡、上益城郡 -国道57号とJR豊肥線、南阿蘇鉄道が寸断され、特に阿蘇地方は生活や経済に大きな打撃を受けています。 「阿蘇長陽大橋は開通し、57号の迂回路と新阿蘇大橋は既に着工し、復旧のめどがついた。ただ、57号と豊肥線の復旧は、のり面の崩壊が予想以上に激しく、どう補修していくか技術的に厳しい状況だ。時間はかかるが、両方セットで予算を確保し復旧できないか検討している」 「南阿蘇鉄道は復旧事業費65~70億円と一定のめどはついたが、地元負担のさらなる低減を図っていきたい」

■第4区:八代市、人吉市、水俣市、天草市、宇土市、上天草市、宇城市、下益城郡、八代郡、葦北郡、球磨郡、天草郡 -地方創生を掲げていますが、県南は人口減少が止まりません。 「急に働き場所をつくることはできない。八代港の機能強化や南九州西回り自動車道の延伸で、経済活動しやすい状況を作つくる。交通の利便性を高めることで新たな企業誘致につなげ、立地企業にはさらに投資をしてもらう。農林水産業の後継者が残れるよう所得を増やす政策もつくる」 -区割り改定で選挙区が広くなりました。 「これまでの旧5区に天草と宇土半島が加わった。地場の農林水産物を消費地に早く届けるためには交通網の整備が必要だ。(後略)」

 インフラ整備の重要性は論を待たない。熊本地震の災害復旧事業はもとより、県内の交通インフラ、防災インフラ整備はまだまだこれからである。九州横断自動車道延岡線、中九州横断道路、熊本天草幹線道路、有明海沿岸道路など、主要な幹線道路ネットワークの整備はいまだ緒についたばかりで、ほとんど完成(供用)していない。熊本都市圏の渋滞問題も残されている。一級河川・白川や緑川の整備水準も20〜30年に1回発生する確率規模の洪水に対応できるか出来ない程度でしかない。

 県内のインフラ整備をこれまで以上のスピードで進めていく必要がある。

 【三橋貴明】インフラ後進国(「新」経世済民新聞)↓ https://38news.jp/economy/10966

 熊本地震・道路復旧状況(熊本河川国道事務所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/fukkyuu.html

 熊本の道路(熊本河川国道事務所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/road/juutai_taisaku/index.html

 白川の河川整備計画(熊本河川国道事務所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/river/shirakawa/seibi.html

 緑川の河川整備計画(熊本河川国道事務所)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/river/midorikawa/seibi.html

(国会議事堂)

(選挙ポスター掲示板)

(選挙ポスター掲示板)

(国道57号北側復旧ルート・二重峠トンネル)

(8月27日に開通した長陽大橋ルート)

(今回の舞台)

(2017年10月22日)

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