熊本地震で通行止めになっていた「俵山トンネルルート」が開通
★年内開通の背景には、地権者の方々や関係機関の理解と協力、工事受注者(熊本県建設業協会関係)各位の尽力、そして九州地方整備局熊本地震災害対策推進室インハウスエンジニアのマネジメント力がありました。
平成28年4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震央とするマグニチュード(Mj)6.5の地震が発生(前震)、さらに、その28時間後の4月16日1時25分にはMj7.3の地震が発生し、益城町と西原村で震度7を観測しました(本震)。延べ4,000回を超える余震による影響を含め、「熊本地震」は熊本~阿蘇周辺地域に甚大な被害を与えました。多数の家屋倒壊や土砂災害による人的被害、電気・ガス・水道等のライフラインへの被害のほか、空港・道路・鉄道等の交通インフラにも甚大な被害が生じ、県民生活や中小企業、農林漁業や観光業等の経済活動にも大きな支障が生じました。
道路交通については、熊本県の東西方向の生命線ともいうべき国道57号が南阿蘇村立野地点で斜面崩壊により寸断、これと接続する国道325号阿蘇大橋も崩落、さらに県道熊本高森線の俵山トンネルとそれにつながる橋梁群も損傷し、2~3万台/日を超える熊本~阿蘇間の重交通が機能麻痺の状態となりました。(広域の迂回ルートであるミルクロードやグリーンロードは、被災後数日で啓開・確保されましたが、いずれも峠越えのルートであり、交通容量も小さいことから、厳しい道路交通環境が続いていました。)
本日、12月24日(土)、熊本地震で大きな被害を受け、通行不能となっていた「俵山トンネルルート」(県道熊本高森線;西原村小森~南阿蘇村河陰間(約10km))について、俵山トンネルと旧道を迂回路とした東西方向の通行を確保するための工事が完了し、交通解放されました。
年度末までの工期を大幅に前倒しすることで実現した12月24日開通の背景には、地権者の方々や関係機関の理解と協力、工事受注者(熊本県建設業協会関係)各位の尽力、そして九州地方整備局熊本地震災害対策推進室インハウスエンジニアのマネジメント力がありました。感謝の念に堪えません。
今回の「俵山トンネルルート」の開通により、益城熊本空港インターチェンジから南阿蘇村役場までの所要時間が約40分となり、グリーンロードを迂回するルートに比べ約10~20分の時間短縮になるとともに、冬期の安全な通行が確保され、阿蘇地域の物流の円滑化及び観光振興に寄与することが期待されます。 阿蘇周辺地域の方々の生活再建、広域観光ルートとしての活用など、熊本地震からの復旧・復興の弾みとなればと思います。
「最高のクリスマスプレゼントです。」と地域の方に言っていただいて、幸せになりました。
熊本地震から8か月ぶり、俵山ルート開通(日本テレビ)↓
<熊本地震>阿蘇観光復興へ…俵山トンネル通行再開(毎日新聞)↓
(開通式の様子)
(道路工事をされた皆様へ)
(パト車の先導でトンネルへ)
(開通した俵山トンネルルート)
(俵山トンネル坑口にて:開通前)
(袴野地区のバイパス区間:開通前)
(今回の舞台)
(2016年12月24日)