設楽ダム工事現場見学<穂の国「東三河」⑫>
★転流式を終えて、ダム本体の工事がスタートする設楽ダム。工事事務所では、設楽町観光協会と連携して現場見学会を開催しています。
インフラツーリズムとは・・・
インフラツーリズム(和製英語:infrastructure tourism)とは、ダム・橋・トンネル・空港などの公共施設(=インフラストラクチャー)を見たり体験したりすることで、見学者にとっては、普段見られない施設の内部や工事現場を見学でき、防災や治水、交通システムなどについて詳しく学べるという魅力があります。
国土交通省では、2016年にインフラツーリズムを紹介するポータルサイトを開設し、情報発信を行ってきており、近年では、インフラの管理者と旅行会社などが調整して実施する民間ツアーも増えつつあります。
インフラツーリズム ポータルサイト|国土交通省総合政策局
東三河では・・・
東三河にもこのインフラツーリズムを実践している民間ツアーがあります。私が興味を持ったのが豊橋鉄道(株)さんが企画している「奥三河再発見ツアー」。奥三河の魅力を様々な側面からご紹介する地域密着型バスツアーで、季節ならではの奥三河の魅力の数々を案内してくれます。
このツアーで見つけたのが「田口線廃線跡と田口地区まち歩き」、「設楽ダム工事現場と奥三河郷土館見学」という企画。いずれも建設が進む設楽ダムの工事現場を見学することができるとともに、前者のツアーでは、いにしえの姿をとどめる交通インフラ・旧田口線(豊橋鉄道田口線)の痕跡を見学することもできます。
奥三河再発見ツアー 2023年 春|豊橋鉄道
奥三河再発見ツアー 2022年 夏|豊橋鉄道
「設楽ダム建設現場見学」夫婦で行ってきました2021/12/13/設楽・東栄の旅行記・ブログ|フォートラベル
設楽ダム建設は・・・
私が暮らす東三河地域は、豊川水系の水に支えられています。約72万人への水道用水の供給、わが国屈指の露地野菜・果物・園芸作物生産を支える農業用水の供給、ものづくり愛知県の一端を担う三河港周辺の工業生産を支える工業用水の供給など、主に豊川用水を通じた豊川水系の水の供給が欠かせません。また、豊川水系の水だけでは賄いきれず、佐久間ダムなど天竜川水系からの導水も行われています。
しかし、豊川用水地域では度々渇水が発生しており、近年では、令和元年に宇連ダムが枯渇し、67日間の長期にわたって、最大取水制限率15%の取水制限が実施されるなど、新たな水資源の開発が必要となっていました。
また、豊川流域では、「昭和44年8月洪水」をはじめ、これまで幾度も洪水による大きな被害を受けてきました。これに対して、河川管理者である国土交通省は、豊川放水路の整備(昭和40年完成)や狭窄部の改修工事(昭和62年完成)を行ってきましたが、豊川左岸にある4箇所の霞堤地区(豊橋市・豊川市)では、近年でも浸水被害が発生しています。今年(2023年)6月2日から3日にかけて東海3県を襲った記録的な豪雨では、当地域で2度の線状降水帯が発生、4箇所の霞堤地区をはじめ豊川流域は内水・外水で広範囲に浸水し、大きな被害を受けました。
設楽ダムは、①洪水調節(洪水時の水量を調節して、河道の整備と併せて豊川流域の洪水被害を軽減する)、②用水開発(設楽ダムを新たな水源として、東三河地域の各地に新たな水道水や農業用水を供給する)、③正常流量の確保(渇水時にも、 豊川に一定量の水が流れるようにする)、という3つの役割を果たす多目的ダムで、2034年(令和16年)度の完成を目指して事業が進められています。
令和5年6月2日から3日の大雨に関する愛知県気象速報|名古屋地方気象台
6月2日大雨による被害情報について(第6報)|愛知県災害対策本部
令和5年6月台風2号・豪雨|ふるさとチョイス災害支援
設楽ダム工事事務所(国土交通省中部地方整備局)
設楽ダムの効果|設楽ダム工事事務所
設楽ダム建設事業の再評価|国土交通省中部地方整備局
設楽ダム工事現場見学
設楽ダム工事事務所では、地元設楽町(設楽町観光協会)と連携して工事現場見学会を開催しています。ダム工事現場を見渡すことのできる見晴台、設楽ダム周辺の過去・現在・未来を映し出すプロジェクションマッピングが楽しめる広報展示室など、見所が沢山ありますので、機会があれば是非参加(体験)していただければと思います。
どうする田口新城線特別乗車企画 設楽ダム工事現場見学とまち歩きツアー|設楽町
設楽ダム工事現場見学体験|奥三河観光ナビ(奥三河観光協議会)
田口まち歩き&設楽ダム工事現場見学ツアー/設楽ダムだより第148号(2023.1)|設楽ダム工事事務所
地域や環境に配慮したダム事業を行っています!【設楽ダム建設事業】/旬な現場一覧|国土交通省中部地方整備局
広報展示室がオープンしました!|設楽ダム工事事務所
設楽ダム工事現場(見晴台からの眺望)①
設楽ダム工事現場(見晴台からの眺望)②
転流式
2023年(令和5年)2月25日、設楽ダムの本体工事着手に向け、豊川(寒狭川)本川の流れを転流トンネル(左岸側に掘削した422mの迂回トンネル)へ切り替える「転流式」が設楽町田口の奥三河総合センターで開催されました。ダム建設の大きな節目となるこの式典には、東三河の市町村長や町内の住民代表、工事関係者など約90人が出席。式典会場と工事現場(転流トンネル)が映像で結ばれ、転流開始の様子が伝えられるとともに、地元県立田口高校の生徒が造った「祝い船」が真新しい転流トンネルを通り抜けました。
設楽ダム転流開始/設楽ダムだより第150号(2023.3)|設楽ダム工事事務所
設楽ダム工事本格化へ「転流」始まる|東愛知新聞2023/02/26
設楽ダム転流式(2023/02/25)
(今回の舞台)
(2023年06月25日)