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鬼祭<『かがやく豊橋』⑧>

★3年ぶりに一般参拝者を入れて開催された安久美神戸神明社の例祭「豊橋鬼祭」。五穀豊穣と無病息災を祈るお祭りは、古来から日本人の暮らしに根付き、世代を超えて今に伝わっています。


豊橋鬼祭

 毎年2月10日・11日に亘って行われる「豊橋鬼祭」は、東三河に春の訪れを告げる安久美神戸神明社の例祭で、天下の奇祭として定着しています。平安から鎌倉時代に流行した田楽に日本建国の神話を取り入れて神事としたもので、古式を崩さずに伝えられていることから国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

 鬼祭は、もともとは年の初め、1月13・14日に「農作物の豊作を予祝する祭」であったようで、神明社に伝わる古面「赤鬼面」「鼻高(天狗)面」は、当時東三河を治めていた今川義元が寄進したと伝えられています。

 祭礼は二日間に亘り、赤鬼と天狗が争う「からかい」を中心に、御的神事、御神楽、田楽、御玉引の年占、御神幸など数多くの神事が行われます。「からかい」では、荒ぶる神である赤鬼が悪戯をするので、武神天狗がこれを懲らしめようと神の前で秘術を尽くし闘い、やがて万策尽きた赤鬼は罪の償いにタンキリ飴と白い粉(小麦粉)を振り撒く若衆等を従えて境内から境外へと遁走していきます。この白い粉を浴び、タキキリ飴を食べると厄除となり夏病みしないと言い伝えられています。


 国指定重要無形民俗文化財【豊橋鬼祭】|安久美神戸神明社


 新型コロナの影響で、過去2年間は神事のみの縮小開催を余儀なくされましたが、今年(令和5年)は3年ぶりに境内に一般参拝者を入れての開催となり、11日は晴天のもと、祭りのクライマックス「天狗と赤鬼のからかい」が多くの参拝者が見守る中で奉納されました。


 粉を浴びて真っ白に…3年ぶりに観客入れて鬼祭「気持ちがすっきりした」厄除け祈願でにぎわう 愛知・豊橋市|CBCテレビ 愛知 2/11(土) 23:29配信


 春の訪れ告げる「からかい神事」 愛知・豊橋、3年ぶり有観客で開催|朝日新聞デジタル 社会 2/11(土) 20:00配信


 3年ぶりに一般参拝者を入れ開催 愛知県豊橋市の神社で「豊橋鬼祭」|メ〜テレ(名古屋テレビ) 愛知 2/11(土) 18:38配信


 「アーオー」叫び、駆ける青鬼 愛知・豊橋鬼祭 「門寄り」も復活|毎日新聞 社会 2/10(金) 21:00配信


 観客らが粉で真っ白になる奇祭…1000年以上続くとされる「豊橋鬼祭」始まる 3年ぶりに観客入れて開催|東海テレビ 愛知 2/10(金) 17:10配信


 ちなみに、豊橋市のマスコット「トヨッキー」の語源は、「豊橋の鬼/豊(トヨ)+鬼(キ)=トヨッキー」で、マスコットは「鬼祭」の赤鬼をロボット風にアレンジし、アレンジのモチーフとして、漢字の「豊」を使用したとのことです。


 豊橋市のマスコット「トヨッキー」|豊橋市



御日の出神楽(令和五年豊橋鬼祭)


御的神事(令和五年豊橋鬼祭)

※この年の農作物の豊饒を祈り、諸々の災厄、悪魔を追払う神事で、干地(高地)、福地(低地)を代表する射手二名、矢取一名によって奉仕されます。


天狗と赤鬼のからかい①(令和五年豊橋鬼祭)


天狗と赤鬼のからかい②(令和五年豊橋鬼祭)


天狗の切祓(令和五年豊橋鬼祭)


田楽ポン、テン、ザラ(令和五年豊橋鬼祭)


天狗神楽・司天師神楽・御幸神楽・笹良児神楽(令和五年豊橋鬼祭)


御玉引の年占(令和五年豊橋鬼祭)

※農作業の吉凶を占う神事で、干地(高地)と福地(低地)が榎玉を奪い合い、干地が勝つと降雨が多く高地の農作物が豊饒であり、福地が勝つと降雨が少なく低地の農作物が豊饒であると言われています。


町内廻り(令和五年豊橋鬼祭)


豊橋市のマスコット「トヨッキー」


安久美神戸神明社、天照皇大神、五穀豊穣を祈る

 940年(天慶三年)、「平将門の乱」平定を喜んだ朱雀天皇は、伊勢神宮への御礼として三河国飽海荘(郷)を神領として寄進されました。このとき、伊勢神宮祭主の庶流大中臣基守がこの地の司として赴き、天照皇大神を奉斎して地域の繁栄を祈願したのが安久美神戸神明社の始まりと伝えられています。

 主祭神の天照皇大神は、高天原を統べる主宰神・皇祖神として日本神話に登場する神様で、太陽神、「農耕神」など多様な神格を持たれています。お祭りの起源とも伝えられる「天岩戸の神隠れ」でも有名な神様であられます。

もともと日本には、古来より、あらゆる万物には神が宿る「八百万の神」という考え方があります。自然とともに暮らし農耕民族として生きてきた日本人には、太陽や雨雲、海、山、川、動植物など、すべてのものに神様が宿っていると信じて暮らしてきた歴史があります。

 国土(郷土)に働きかけることによって、国土(郷土)は恵みを返してくれる。春は豊作を願い種を蒔き、秋は実りに感謝して収穫する。われわれのご先祖様は八百万の神々に、そして郷土の神様に五穀豊穣と無病息災を祈ってきました。それがお祭りとして日本人の暮らしに根付き、世代を超えて今に伝わっています。


 御祭神・御由緒|安久美神戸神明社



安久美神戸神明社①

安久美神戸神明社②


安久美神戸神明社③


社会科副読本『かがやく豊橋』で学ぶ、鬼祭

 豊橋市教育委員会が作成した小学校3・4年生向けの社会科副読本『かがやく豊橋』では、第3章第3節「3.かわってきた人々のくらし(3)伝えていきたい年中行事」において、鬼祭が紹介されています。



社会科副読本『かがやく豊橋』(豊橋市教育委員会)の学習コンテンツ


(今回の舞台)


(2023年02月19日)




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