棚田を守る
★食料生産、国土保全、水源かん養など、多様な機能を合わせ持つ「棚田」は、先人達が国土に働きかけを続けてくれた歴史の賜である。現代に生きる我々も、この「棚田」への働きかけを継続し、次の世代にしっかりと遺していかなければならないと思う。
「棚田」とは、山の斜面や谷間の傾斜地に階段状に作られた水田のこと。その機能は、単に「食料の生産」に留まらず、「国土の保全(地すべり・土砂崩壊等の防止)」、「水源のかん養」、「洪水調節」、「生物多様性・生態系の保全」、「保健・休養の場の提供」など、極めて幅広い。日本を代表する「美しい景観」の一場面でもある。 平成11年7月に農林水産省が発表した「日本の棚田百選」によると、ここ熊本県内にも、扇棚田(産山村)、日光の棚田(八代市、旧坂本村)、天神木場の棚田(八代市、旧東陽村)、美生の棚田(八代市、旧東陽村)、大作山の千枚田(上天草市、旧龍ヶ岳町)、静趣活創棚田・番所(山鹿市、旧菊鹿町)、松谷棚田(球磨村)、鬼の口棚田(球磨村)、寒川地区棚田(水俣市)、峰棚田(山都町、旧矢部町)、菅迫田(山都町、旧矢部町)という、11もの優れた棚田が遺されている。 一方で、「棚田」は一枚一枚の面積が小さく、傾斜地で労力がかかるため、中山間地域の過疎・高齢化にともなって、1970年代頃から減反政策の対象として耕作放棄され始め、今では40%以上の棚田が消滅してしまったとも言われている。
食料生産、国土保全、水源かん養など、多様な機能を合わせ持つ「棚田」というインフラは、わが国の国土に最初からあったものではない。古くは、古墳時代に出現し、室町時代前期の文書には“棚田”という言葉が具体的に記されるようになったとも言われている「棚田」は、まさに、先人達(古代から稲作農業を営んできた多くの日本人)が国土に働きかけを続けてくれた歴史の賜であるのだ。 現代に生きる我々も、この「棚田」への働きかけを継続し、次の世代にしっかりと遺していかなければならないと思う。
特定非営利活動法人 棚田ネットワーク↓ https://tanada.or.jp/
日本の棚田百選(地域環境資源センター)↓ http://www.acres.or.jp/Acres20030602/tanada/index.htm
冊子「棚田イレブン」のご紹介(くまもと農人サポートセンター)↓ http://note.kumamoto.jp/archives/1208
【扇棚田(産山村)】 扇棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1183566318442989 ※「棚田と3本杉のコントラストは、扇棚田ならではの絵画的な風景で、遠く久重山系、祖母山や阿蘇の美しい山々も見渡すこともでき、贅沢な時間が流れています。」
扇棚田(産山村ホームページ)↓ http://www.ubuyama-v.jp/tourism/scenic_spot/ougida/
扇棚田(産山村Facebook)↓ https://ja-jp.facebook.com/ougitanada/
【日光の棚田(八代市、旧坂本村)】 日光の棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1188105057989115 ※「日光の棚田は八代と球磨を分ける山間地に広がる由緒ある棚田で戦国時代から江戸時代中期にかけて拓かれたものです。見事な石積みに先人たちの苦労がしのばれます。路上にある道案内の看板や棚田の入り口をしっかり整備してある光景を見ると、先人たちからの伝統を今に継承し、後世に残したいという地域住民の熱い思いを感じ取ることができます。」
日光の棚田活性会ホームページ↓ http://nichikou.org/
日光の棚田活性会Facebook↓ https://ja-jp.facebook.com/nichikou.tanada/
(日光の棚田)
(日光の棚田)
【天神木場の棚田(八代市、旧東陽村)】 天神木場の棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1190835177716103 ※「静かで穏やかな時間が流れる天神木場の棚田は、昔ながらの掛干しによるコメの生産が行われています。そよそよと風になびく黄金色の稲穂がノスタルジックな空気を醸成しています。また、棚田がある箱石地区では、伝統芸能「雨乞い太鼓」が保存会により継承されており、先人たちの農業への切実な思いが感じられます。」
(天神木場の棚田)
【美生の棚田(八代市、旧東陽村)】 美生の棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1190847407714880 ※「川のせせらぎに抱かれるようにたたずむ美生の棚田は、全国的にも珍しいショウガの棚田で、石工の郷ならではの美しい石積みが特長的です。初夏になると棚田の近くを流れる渓流で、カジカの鳴き声が響きます。棚田の美しい光景と木々と川から醸成されるマイナスイオンが心を癒してくれます。」
(全国的にも珍しいショウガの棚田/美生の棚田)
【大作山の千枚田(上天草市、旧龍ヶ岳町)】 大作山の千枚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1195407943925493 ※「大作山の千枚田は、雲仙天草国立公園内に属する龍ヶ岳の中腹に拓かれた棚田で、天草地方で唯一「日本の棚田百選」に選ばれています。山あいにありながら、遠くに八代海の島々も眺望できますので、一味違う楽しみもあります。」
【静趣活創棚田・番所(山鹿市、旧菊鹿町)】 番所の棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1196048097194811 ※「きれいに整地されている棚田は圧巻の光景で、地域の人達の日々の努力が見て取れます。また、番所の棚田は彼岸花も有名であり、秋の訪れとともに、頭を垂れた稲穂の脇に真っ赤に染まった彼岸花が咲き並びます。古い家並や石垣も残っており、懐かしいふるさとに帰ったかのような風景に心がなごみます。」
番所の棚田景観(山鹿市ホームページ)↓ http://www.city.yamaga.kumamoto.jp/www/contents/1366345351408/files/gaiyouhyousi.pdf
★日本棚田百選★「平成26年度番所棚田ふれあい探訪ツアー」が開催されました!(熊本県)↓ http://www.pref.kumamoto.jp/kenhoku/kiji_7290.html
【松谷棚田(球磨村)】 松谷棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1197432313723056 ※「松谷棚田は球磨川の支流である那良川の中流域にあり、山の中腹から扇状に広がっています。川の対岸には毎床地区の梨園をのぞみ、花の季節には白い花が山肌一面を覆います。」
さんがうら 田舎の体験交流館↓ http://www.sangaura.com/index.html
松谷棚田オーナーを募集します(球磨村ホームページ)↓ http://www.kumamura.com/gyousei/2017/05/5597/
(松谷棚田)
(松谷棚田)
(松谷棚田)
【鬼の口棚田(球磨村)】 鬼ノ口棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1196747313791556 ※「球磨川の支流、芋川沿いに拓かれた(鬼ノ口)棚田には、丸みを帯びた石積みの上に、長方形の棚田が整然と並んでいます。水音が響く棚田では、秋になると掛干しの風景が楽しめます。」
(鬼ノ口棚田)
(鬼ノ口棚田)
(鬼ノ口棚田)
【寒川地区棚田(水俣市)】 寒川地区棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1198014446998176 ※「寒川地区の棚田は大関山麓から湧き出す湧水が潤す棚田です。平積みの石垣が美しく、2005年からは5月中旬に「棚田のあかり」が開催され、暗夜に浮かぶ幻想的な棚田の光景が楽しめます。」
愛林館(水俣市久木野ふるさとセンター)↓ http://airinkan.org/index.html
うち、棚田のあかり2018 http://airinkan.org/18akari.html
(寒川地区棚田)
(棚田のあかり2018/寒川地区棚田)
※「棚田のあかり」は、愛林館(水俣市久木野ふるさとセンター)と寒川地区の人々が、美しい景観を通じて棚田の公益的な価値を知ってもらおうと2005年から毎年開催しているイベントで、苦労して棚田を開いてくれたご先祖さまへの感謝の思いも込められている。
【峰棚田(山都町、旧矢部町)】 峰棚田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1200158326783788 ※「峰棚田は山都町の西側の山間地に広がる棚田で、通潤橋を手掛けた布田保之助が築造した嘉永福良井手の水が今も田んぼを潤しています。江戸時代に作られた水路の水を眺めると時の流れを感じることが出来ます。」
(峰棚田)
(峰棚田)
(峰棚田)
(嘉永福良井手百五十周年之碑)
(布田神社と全国棚田サミット記念植樹)
【菅迫田(山都町、旧矢部町)】 菅迫田/棚田イレブン(くまもと農人サポートセンター)↓ https://www.facebook.com/kumamoto.note/posts/1200814393384848 ※「菅迫田は九州脊梁と阿蘇の外輪山に囲まれた標高約400メートルに位置しています。棚田と家並みが混在する風景から、棚田が里山の暮らしとともに守り継がれていることが感じられます。」
(今回の舞台)
(2018年6月17日)