多様な「道の駅」in熊本
★熊本県内の「道の駅」は30駅。道路利用者の休憩施設、新鮮な農産物等が手に入る場所というだけでなく、地域活性化の拠点として、農業・観光・福祉・防災・文化など、地域の個性、魅力を活かした様々な取組みが期待されている。
【「道の駅」竜北とその機能】 氷川町では、毎年10月下旬、「道の駅」竜北を拠点とするウォーキング・イベントが開催されている。ウォーキングを通じて県内外の人々との交流を深め、地域活性化に繋げることを目的として開催されているもので、竜北公園を出発して、果樹園、野津古墳群、秋山幸二ギャラリー、町つくり酒屋などの地元・氷川町の観光資源を巡りを巡る10.5kmコースは人気のコース。例年は多くの参加者で賑わう。 今年も本日10月29日(日)の開催が予定されていたが、残念ながら台風22号の影響で中止の運びとなった。 今年で登録15周年を迎えた「道の駅」竜北は、吉野梨や晩白柚といった新鮮な農産物や特産物の販売、地域の素材を活かした食材の提供などを通して、年間50万人以上が利用する県内屈指の賑わいのある「道の駅」となっている。 また、平成26年1月には、大規模な災害時等に備え、防災倉庫、非常用電源等を整備していた(防災拠点化を図っていた)こともあり、平成28年熊本地震発生の際には、大規模な余震が続く中、自宅で過ごすことの出来ない人々の貴重な(車中泊)避難場所として機能した。
イベント情報/「道の駅」ウォーキング2017(10月29日)(氷川町ホームページ) http://www.hikawacyou.hinokuni-net.jp/event_cal/pub/detail.aspx?c_id=8&id=64&pg=1&nen=2017
「道の駅」竜北(公式ホームページ)↓ http://www.michinoeki-ryuhoku.com/
(昨年の様子:「道の駅」竜北ウォーキング2016)
(「道の駅」竜北:熊本地震の際には車中泊による避難場所として機能した)
【「道の駅」の多様化】 「道の駅」は、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の方々のための「情報発信機能」、そして「道の駅」をきっかけに町(村)と町(村)とが手を結び活力ある地域づくりを共に行うための「地域の連携機能」、の3つの機能を併せ持つ休憩施設として誕生した。 1993年(平成5年)4月22日に正式登録された全国103箇所の施設を「第1号」として、現在(2017年10月29日)では、全国で1,117駅、九州・沖縄ブロックで136駅、熊本県内で30駅が「道の駅」に登録されている。 当初「道の駅」は、道路利用者へのサービス施設(ドライバーが立ち寄るトイレ・休憩施設)としてスタートしたが、今や「道の駅」は、地域の人々の顔が見える農産物等が手に入るということで多くの国民の支持を得ており、さらに最近では、全国各地で「道の駅」を地域活性化の拠点とする取組み、農業・観光・福祉・防災・文化など、地域の個性、魅力を活かした様々な取組みがなされている。「道の駅」自体が目的地となっている、そうした成長を遂げた道の駅も少なくない。 そして、こうした多様な「道の駅」の展開をさらに支援しようとするのが「重点「道の駅」」制度。 重点「道の駅」は、地域活性化の拠点となる優れた企画があり、今後の重点支援で効果的な取組が期待できる施設を国土交通大臣が選定し、取組を広く周知するとともに、取組の実現に向けて、関係機関が連携し、重点支援するもの。全国で73箇所が選定されており、ここ熊本県でも、<「道の駅」小国>と<道の駅「阿蘇」>が重点「道の駅」に選定されている。両「道の駅」とも、運営主体(駅長ほか)の「公共」や「地域活性化」に対する意識が卓越しており、地域や道路利用者に質の高いサービスを提供している。
道の駅案内(国土交通省ホームページ)↓ http://www.mlit.go.jp/road/Michi-no-Eki/index.html
モデル「道の駅」、重点「道の駅」(国土交通省ホームページ)↓ http://www.mlit.go.jp/road/Michi-no-Eki/juten_eki/juten_eki_index.html
熊本県内の道の駅(熊本河川国道事務所ホームページ)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/road/chiiki_kouryuu/michinoeki.html
「道の駅」阿蘇が重点「道の駅」に選定!!(熊本河川国道事務所ホームページ)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/newstopics_files/k160127_01.pdf
「道の駅」阿蘇(公式ホームページ)↓ http://www.aso-denku.jp/
(「道の駅」阿蘇:重点「道の駅」に選定されている)
【熊本の「道の駅」を巡る話題/熊本地震と自動運転実証実験】 「道の駅の防災拠点化」の議論が本格化したのは、2004年(平成16年)10月23日に発生した新潟県中越地震を切っ掛けとして。このとき、近隣の道の駅の多くが、避難場所として、そして支援活動拠点として大いに活躍した。道の駅は、避難住民にとって「癒しの場」でもあった。 その後、道の駅の防災拠点化は、全国レベルのテーマとなり、その導入が進められてきた。 そして、平成28年4月に発生した熊本地震でも、被災地及び被災地周辺にある道の駅の多くが、避難場所や支援活動拠点として大いに活躍した。
道21世紀新聞ルートプレス21↓ http://www.route-press21st.jp/
道21世紀新聞ルートプレス21「創刊号」↓ http://www.route-press21st.jp/flash/00/FLASH/index.html
【参考】熊本地震の被災地を支援する「道の駅」(熊本河川国道事務所ホームページ)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/newstopics_files/k160510_01.pdf
道21世紀新聞ルートプレス21「第48号」↓(1~3ページ) http://www.route-press21st.jp/flash/48/FLASH/index.html
一方、2017年9月30日、熊本県葦北郡芦北町において、道の駅「芦北でこぽん」を拠点とした自動運転サービスの実証実験が開始された。地方(中山間地域)における鉄道や路線バス事業の経営状況は危機的な状況を迎えつつあり、公共交通ネットワークの縮小やサービス水準の一層の低下が懸念されている。更には、高齢者の運転免許証の自主返納も急増しており、地方における移動手段の確保は、まさに喫緊の課題となっている。新開発自動運転車(カート型)が全国で初めて公道を走行する雄姿は、中山間地域の明るい未来を予感させるものであった。
道の駅「芦北でこぽん」において実証実験をスタート(熊本河川国道事務所ホームページ)↓ http://www.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/newstopics_files/k170915.pdf
(実験試乗の様子)
(今回の舞台)
(2017年10月29日)
関連ページ(熊本国土学) <第24回>熊本県(肥後国)の起源、「火の国」と野津古墳群(2016/10/30)