熊本の総鎮守「藤崎八幡宮」と秋の訪れを告げる例大祭
★秋の訪れを告げる「藤崎八幡宮」の例大祭。今年は熊本地震からの早期復興を祈る特別な例大祭として開催。 今年(平成28年)の熊本の夏は、連日、猛暑日が続き、熊本地震で被災した人々にとって、大きな負担となった。9月に入っても真夏日が続いたが、そんな中、地元の人々から「藤崎さん(秋の例大祭)が終わると涼しくなりますから・・・」と教えてもらった。
藤崎八旛宮は、熊本市の代表的な神社の一つで、「熊本の総鎮守」と称される。熊本市街地の北東、国道3号線沿いに大きな鳥居があって、そこから東へ向かって広い参道が延びており、その先の大きな木々に囲まれた境内の中に、鮮やかな朱色の楼門がある。 藤崎八旛宮社記によると、「藤崎八旛宮は、承平5年(935)に朱雀天皇が平将門の乱平定を祈願され、
山城国(京都)石清水八幡大神を国家鎮護の神として、茶臼山(今の藤崎台球場)に勧請されたのに始まる。鎮座の日、勧請の勅使が藤の鞭を3つに折って、3ヵ所に埋めたところ、この地に挿した鞭から、やがて芽が出て枝葉が繁茂したので、藤崎宮の名称が起こったと伝えられている」とある。 その後、藤崎宮は、平安時代は国府八幡宮として国司や朝廷の崇敬を、鎌倉時代以降は歴代領主の崇敬を受け、江戸時代には熊本城の鎮守社とされた。また、明治10年(1877)には、西南戦役の兵火をうけ社殿を焼失し、現社地に移転して復興した。祭神は応神天皇・相殿に神功皇后・住吉三神を祀る。
熊本地震からの復旧途上にある平成28年6月下旬、藤崎八幡宮は臨時総代会において、9月18日(日)に例年通り例大祭(神幸式・奉納行事)を行うと決定した。 「元来神社のお祭りというものは、自然への畏敬、そこから生まれる自然への感謝、また、先祖への感謝、国家や地域の安寧、国民の平和に繋がる五穀の豊穣などを祈るものとして存在し続けてきました。本年は、特に、震災で被災された方々の心の慰め、そして熊本・大分の早期復興を祈る特別な例大祭となります。
(中略)今なお支援の手を差しのべて下さる海外の方々、他県のみなさまに向けても、傷を負った熊本が
半歩ずつでも前に進んでいるとの示しになればとの念いも併せ持った例大祭となります。どうか、奉納に参加される方々はむろんのこと、沿道で八幡神にお参りなさる方々も、被災された方々の一刻もはやい心の安寧と復興を共にお祈りし、これからも、被災なさっている方々の心に寄り添っていきましょう。」
(藤崎宮ホームページ)http://fujisakigu.or.jp/
そして今日が、藤崎宮の秋の例大祭のメイン行事「神幸式(隨兵行列・飾馬奉納)」開催日。秋雨前線や台風の影響もあって、朝から断続的に降り続く雨は、秋の気配を感じさせる。そんな中、勇壮な随兵行列や馬追いが今年も盛大に実施された。
(藤崎八幡宮:2016初詣の風景)
藤崎八幡宮:2016秋の例大祭の風景
2016神幸行列の一コマ
2016神幸行列の一コマ
(今回の舞台)
(2016/9/18)