使われた水のゆくえ<『かがやく豊橋』⑦>
★「下水道」の整備は、快適で安全な市民生活の実現だけでなく、水質保全やリサイクルなど環境面でも大いに役立っています。
社会科副読本『かがやく豊橋』で学ぶ、使われた水のゆくえ(下水道)
豊橋市教育委員会が作成した小学校3・4年生向けの社会科副読本『かがやく豊橋』では、上水道に引き続いて、豊橋市内の下水道の仕組みや歴史に関する学びの機会が提供されています(第5章第2節「5.住みよいまち豊橋(2)使われた水のゆくえ(下水道)」に掲載)。
社会科副読本『かがやく豊橋』(豊橋市教育委員会)の学習コンテンツ
下水道の様々な役割
下水道には、様々な機能・役割があります。以下では、大きく4つに分けて下水道の役割を整理していますが、前述の『かがやく豊橋』にあったように、これらのうち学校教育現場で取り扱われているのは<①>と<②>の役割になります。
<①住みよい環境をつくる(生活環境保全)>
下水道があると使った水は、すぐ下水道管に流されます。このため、汚水が家の周りにたまらずハエや蚊の発生を防ぎ、清潔で快適な生活環境が保たれます。
<②地球環境を守る(水質保全)>
汚水を川や海に直接流さずに、綺麗にしてから流すので、川や海が汚れるのを防ぎます。
<③大雨に強いまちをつくる(浸水防止)>
大雨が降ったときでも、雨水を下水道管で流してしまうので、まちを浸水から守ります。
<④リサイクルする(資源再利用)>
下水処理で発生した汚泥と家庭の生ごみ、し尿・浄化槽汚泥をバイオマス利活用センターで電気と炭化燃料に変えて、再び私たちの生活で役立てられています。
住みよい環境をつくる(生活環境保全)/地球環境を守る(水質保全)
家庭で発生した汚水は、都市の地下に網目状に埋設された下水管を通って下水処理場まで運ばれます。この間、下水管は下水を流すために勾配がつけられていますが、地面からあまり深くならないように、所々にポンプ場を設けて浅いところに汲み上げるという構造になっています。
豊橋市内には16箇所の処理場(公共下水道処理場3箇所、地域下水道処理場 13箇所)があり、これらを機能させるための公共下水道ポンプ場が44箇所と地域下水道ポンプ場が97箇所あります。
下水処理場では、バクテリアなどの微生物が下水の汚れを食べることを利用して、下水をきれいに処理し(①沈砂池→②最初沈殿池→③反応タンク→④最終沈殿池→⑤消毒施設)、きれいに処理された下水は、河川や海などに放流されて自然の水循環に戻っていきます。
下水道のご紹介|豊橋市上下水道局
下水道のしくみ|豊橋市上下水道局
ピカピカの水/わたしたちのくらしと水道・下水道/令和4年5月発行|豊橋市上下水道局
水をつくり届ける/新聞掲載記事|豊橋市上下水道局
マンホールカード|豊橋市上下水道局
豊橋市らしい下水道マンホール
大雨に強いまちをつくる(浸水防止)
下水道は汚れた水を綺麗にするだけでなく、大雨に強いまちをつくっています。 市街化が進むと、舗装道路・駐車場・建物などに降った雨は、大地に浸透せず一度に大量の雨が流れ、都市型水害といわれる新たな浸水被害が発生しやすくなります。
このため、市では浸水のない安全で快適な都市をめざして雨水幹線(大きな口径の管でつくられた雨水専用の下水道)を建設し、ポンプ場の新設や能力向上によって、10年に1度の確率で降る大雨に対応できるよう整備を進めています。
また、近年、全国的に局地的な大雨が多発し、それに伴う浸水被害も年々増加する傾向が見られることから、大雨が降ると浸水のおそれがある場所を把握し、日ごろからの備えとしてご活用いただけるよう「内水ハザードマップ」を作成し公表しています。
下水道の雨水排除対策|豊橋市上下水道局
内水ハザードマップ|豊橋市上下水道局
リサイクルする(資源再利用)
汚水をきれいにしたあとに出た汚泥(おもに微生物が沈んだ泥)や処理水(汚水をきれいにした水)は、リサイクルして他の目的に利活用しています。
(1)バイオマスを利用したリサイクル
バイオマス利活用センター(中島処理場敷地内)では、未利用バイオマス資源のエネルギー利用を行うため、PFI手法によりにバイオガス化施設を整備しています。
下水汚泥、し尿・浄化槽汚泥及び生ごみを中島処理場に集約し、メタン発酵により再生可能エネルギーであるバイオガスを取り出します。バイオガスは、ガス発電のエネルギーとして利活用します。また、発酵後に残った汚泥は、炭化燃料に加工してエネルギーとして利用しています。
(2)処理水のリサイクル
下水処理場できれいにされた処理水は、街路樹や公園の花壇の水まき用の他、定期的な下水道管の清掃に利用しています。
バイオマス利活用センター
(今回の舞台)
(2023年02月12日)