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交通の発達と三河港の建設<『かがやく豊橋』⑪>

★豊橋の産業・経済の発展や快適な市民生活の実現は、鉄道・道路・港湾などの交通インフラの整備によって支えられています。


豊橋市役所展望ロビー「とよはし物語館」で学ぶ

 豊橋市役所の東館13階には無料で楽しめる展望ロビーがあり、360度の景観を楽しむことができます。一級河川・豊川や吉田城、豊橋公園、豊橋市街などが眼下に見えるだけでなく、晴れた日には三河湾や知多半島、弓張山系の山々まで見渡すことができます。併設されている展望レストランでは、豊川が流れる景色を見ながらランチやディナーを楽しむことも可能です。

 この展望ロビーの一角に常設展示されているのが「とよはし物語館」で、1906年(明治39年)の市制施行以後、市電の変遷とともに歩んできた豊橋市の歴史や観光スポットを紹介するコーナーとなっています。上段に豊橋市の歴史、下段に市電の歴史を年表形式(パネル)で掲載。写真やイラストも数多く展示されているため、豊橋市の発展とこれを支えてきた交通インフラ等の歴史が一目でわかります。

 さらに、豊橋を代表する観光資源、豊橋が発祥の地と言われる「手筒花火」の魅力を体感できるスポット「手筒花火体験パーク」もありますので、豊橋観光は豊橋市役所(東館13階)展望ロビーから始めることをお薦めします。


 とよはし物語館|豊橋市


 手筒花火体験パーク|豊橋市


豊橋市役所展望ロビーから豊川下流を望む


とよはし物語館


手筒花火体験パーク


小学3年「社会科」のカリキュラムと教科書

 児童の発達段階を踏まえ、小学校で「社会科」がスタートするのは第3学年(小学3年生)から。学習指導要領・同解説によると、第3学年では「市」を中心とする地域社会に関する内容を、第4学年では「県」を中心とする地域社会に関する内容を、第5学年では「日本」の国土と産業に関する内容を、第6学年では「日本」の政治と歴史、国際理解に関する内容を、それぞれ取り上げることになっています。

 このうち、第3学年の学習内容は、(1)身近な地域や市区町村の様子(交通、土地利用、公共施設など)、(2)地域に見られる生産や販売の仕事(農家、工場、お店)、(3)地域の安全を守る働き(火事/消防、事件・事故/警察)、(4)市の様子の移り変わり、の4つの単元で構成されていますが、単元「(4) 市の様子の移り変わり」は、鉄道や幹線道路が整備される前後の市の様子(土地利用や人口など)を地図や年表を用いて整理することで、交通インフラの整備による市の発展(都市・地域の形成)や市民生活の向上といったことを児童に理解させることのできる、優れた教育プログラムであると言えます。


 小学3年・社会科で学ぶ「地域を支える交通インフラ」(建設マネジメント技術2022.6)


社会科副読本『かがやく豊橋』で学ぶ、豊橋駅の移り変わりと交通の発達

 豊橋市教育委員会が作成した小学校3・4年生向けの社会科副読本『かがやく豊橋』は、豊橋駅の移り変わりと交通の発達の様子について、当時の写真や年表を添えて、次のように伝えています(第6章第1節「「6.きょう土の発てんにつくす(1)豊橋市の発てん」に掲載)。



 豊橋の歴史|豊橋市


JR東海道新幹線「ひかり」


社会科副読本『かがやく豊橋』(豊橋市教育委員会)の学習コンテンツ


社会科副読本『かがやく豊橋』で学ぶ、三河港の建設と臨海工業地域

 また、副読本第6章第5節「6.きょう土の発てんにつくす(5)戦後の産業の発てん」では、三河港の建設と臨海工業地域のことが、図と写真を添えて次のように紹介されています。



三河港と臨海工業地域のあらまし

 三河港は、1962年(昭和37年)に豊橋、蒲郡、田原、西浦の4港が統一され愛知県の管理港として誕生し、1964年(昭和39年)4月には重要港湾に指定されました。木材、鉄鋼、自動車などの企業が進出した昭和40年代以降、三河港は自動車産業の拠点港湾として飛躍的な発展を遂げました。昭和50年代には三菱自動車(1978年に蒲郡地区)、トヨタ自動車(1981年に田原地区)、スズキ(1983年に神野地区)が相次いで自動車輸出を開始したことに加え、平成に入ってからはメルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンなど欧米自動車メーカーの日本法人が相次いで進出したことから、輸出入ともに世界トップクラスの取り扱いを誇る国際自動車港湾になりました。

 とりわけ、輸入自動車の取り扱い量は、1993年(平成5年)から現在に至るまで、29年連続で金額、台数ともに日本一を続けており、三河港は「日本一の輸入自動車取扱港」として確固たる地位を築いています。最新のデータによると、2021年(令和3年)の三河港の自動車輸入台数は17万5300台(速報値)で、外国車の2台に1台が三河港で陸揚げされていることになります。


 【御津地区】東名高速道路や一般国道23号名豊道路へのアクセスも良い工業団地。新たな産業拠点として工業用地や公共岸壁が整備されています。


 【神野地区】税関・出入国管理・検疫等の関係行政機関が集約している三河港の中心地区。メルセデス・ベンツなどの外資系自動車企業が立地する自動車の輸入拠点であり、豊橋コンテナターミナルを有する三河港の物流拠点でもあります。


 【明海地区】かつて豊橋海軍航空隊基地であった大崎島の外周を埋立造成した産業基地。自動車関連、住宅、化学、食品関連、物流関連企業など多業種が立地しており、当地区の工業出荷額は豊橋市全体の約40%を占めています。


 【田原地区】トヨタ自動車田原工場・専用ふ頭がある国産自動車の輸出拠点(主に北米向け)。国内最大規模のメガソーラーや風力発電施設が立地する再生可能エネルギー施設の集積地でもあります。


 三河港振興会


 愛知県三河港務所


 PortRait|一般社団法人日本埋立浚渫協会


 三河港の歴史|愛知県


 三河港の魅力を伝える「豊橋みなとフェスティバル2022」が開催されました(2022年7月22日)|PR TIMES


 統計から見る豊橋/貿易|豊橋市



三河港と「豊橋みなとフェスティバル」


カモメリア(ポートインフォメーションセンター)


(今回の舞台)



(2023年03月12日)



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